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新型コロナウイルスと船員

03 2020

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貨物船員の新型コロナウイルスに対する適切な予防措置と手続きは、組合員が最も懸念するところです。状況は目まぐるしく変化していますが、P&I保険に関連する現状についての見解と、役立つ情報源を以下に示しています。


新型コロナウイルスに関するスティームシップ・ミューチュアルのウェブページ
スティームシップ・ミューチュアルはウェブサイト上に専用ページを設け、新型コロナウイルスに関する新しい情報が入り次第、更新しています。ウェブページの最初の項には、船主の皆さまが船員に対してどのような対策をとればよいのか、また、船上で疑わしい症例や実際の感染が発生した場合にどのように対処したらよいかについてのアドバイスが掲載されている記事へのリンクがあります。特に読んでいただきたいのは、IMOやWHOも推奨しているICSのガイドラインおよび WHO Guidance です。

P&I保険および傭船契約に関する項は、組合員が直面する可能性のある傭船契約問題について、スティームシップ・ミューチュアルのローハン・ブレイが記事を書いています。

その下には、各港と各国の最新情報へのリンクと、代理店およびサービス提供者から寄せられた情報に基づいて当クラブがまとめたリストがあります。

一般情報
船上を衛生的かつ清潔にすることが最も重要です。乗船する人は全員、定期的に擦式アルコール製剤での消毒またはせっけんと水での手洗いを行いましょう。せきやくしゃみをするときは、口と鼻は曲げた肘やティッシュで覆い、使用したティッシュはすぐに捨てることがよいとされています。(可能であれば)他者、特に熱やせき、呼吸困難などの症状がある人との近距離での接触を避けましょう。船員にこうした症状が現れた場合は、直ちにその船員を隔離し、医師の診察を受けましょう。生および加熱が不十分な動物性製品の摂取を避けましょう。生ものの二次汚染を避けるため、食品安全基準にしたがって、生肉、牛乳、内臓肉の取り扱いに注意しましょう。

船上で新型コロナウイルスの感染が疑われる場合
新型コロナウイルスは他の病気同様、通常の補償範囲が適用されます。船員が新型コロナウイルスに感染した場合、上陸した場所で治療を受けて隔離され、本国に送還されるのは回復してからになることが予想されますが、当該港において適用される制度により状況は大きく異なります。国際医療搬送は、通常、現地のP&I代理店と連携して手配されます。当クラブでは毎年世界各地で国際医療搬送を手掛けています。第25条(ii)(c)により、代替要員を含め、通常の補償範囲が適用されます。

当該港と旗国の両方または一方の当局の要請によっては、無症状の船員も何らかの形での隔離を求められる可能性があります。各ケースはそれぞれの状況に応じて扱われなければなりませんが、船上で感染症が発生したことにより追加費用が発生する場合または船舶が隔離される場合は、当クラブの隔離規則(第25条(xii))が適用される可能性があります。規則に示されているとおり、補償範囲は消毒、食料の積み込み、燃料の支払いに及ぶことがあります。ただし、船舶が当該港で隔離されることが分っていた、もしくは予期されるべきであった状況では、補償が適用されないことはご理解いただけるかと思います。離路費用は、病気になった船員に必要な治療を確保することのみを目的としたもので、第25条(ii)(g)に基づいて通常の方法で補償されます。

新型コロナウイルス関連ではありませんが、病気またはけがをした船員が港でトラブルに遭ったというケースも残念ながら発生しています。もし問題が起こった場合は、当クラブは代理店と顧問医師の広範なネットワークを生かして全力でお手伝いします。

上記や当ウェブサイト上に記載されていることのほかに詳細についてお尋ねになりたい場合は、当クラブの担当までお気軽にご連絡ください。