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トルコ:2021年汚染に対する過怠金ならびに汚染調査に関する規則

08 2021

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本記事では、汚染に対する2021年過怠金表ならびに汚染調査に関する新規則について紹介しています。

 

イスタンブールの当クラブコレスポンデントErsoy Bilgehanは2021年1月から適用となる2021年過怠金表とともに、汚染に対する過怠金の年次引き上げのニュースを更新しました。過怠金はガソリン/石油製品、汚染バラスト水、生ごみ、生活排水の排出に対して科されます。

 

場合によっては、トルコ当局は過怠金表に記載された額の10倍に及ぶ罰金を科すこともあります。

 

Ersoy Bilgehanによると、当局より過怠金を科された際は支払いに応じるか、直ちに十分な額かつ適切な形式の保証状を差し入れる必要があります。対応を行わない場合、本船は差押えられることとなります。過怠金の通知から30日以内に支払いを行うことで、25%の減額が適用されます。

 

上述の過怠金表に示される行政的過怠金のほか、トルコの領海で船舶の衝突、故障、火災、爆発その他の事故により汚染が発生した場合、港長は最大500万トルコリラの過怠金を科すことがあります。

 

詳細はErsoy Bilgehanの記事をご参照下さい。

 

また新しい動きとして、イスタンブールの当クラブコレスポンデントKalimbassieris Maritime Denizcilikによれば、2021年6月12日に発効した環境検査規則第31509号(以下「規則」と略す)では、海洋における環境保護を目的とした新規制が導入されているとのことです。特筆すべきは、船舶による汚染の事実を決定する際に当局が負う義務の改定です。

 

規則の施行以前、当局はサンプルならびに写真/映像を根拠として過怠金を科していました。過怠金に対し不服申立がなされたケースでは、裁判所は写真/映像をあくまで判断材料の一つとして捉えており、サンプル採取方法及び分析に問題があったことを理由に申立が認められる場合もありました。

 

現在、規則では写真、映像、航空写真、IR/UVスキャナー(油濁事故の経過観察に使用されるセンサー)その他機器により汚染源、汚染区域、汚染物質を特定した場合、当局はサンプル採取義務を免れることとなっています。汚染物質及び汚染源を視覚的に捉えることが難しい場合にのみ、サンプル採取及び分析が求められます。

 

規則が実務上どのような影響を及ぼすかは明らかになっていません。但し、規則の導入により、裁判所は視覚的証拠に重きを置くようになったようであり、それは時に裁判所の判断次第となりかねないようにも推測されます。

 

※本記事の英語原文は以下リンクをご参照ください。

https://www.steamshipmutual.com/publications/Articles/turkey-pollution-fines-for-2021-072021.htm