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港へのアクセスが拒否された際の喫水線の読み取り作業について

SSM Roundel

Published: February 15, 2022

メンバーの皆様へ

掲題に関連して、オフィサークラスの2人の船員の死亡事故(2件)が直近数週間で報告されました。どちらのケースにおいても、貨物の荷役中及び終了時に船上からパイロットラダーを使用して喫水線を読み取ろうとした際、はしごから転落したことが原因となっています。片方のケースでは、船員が陸上から喫水線を読み取ろうとしたところ、港での新型コロナウイルスの厳格な規制により、船を離れる許可が取れなかったという背景がありました。もう片方のケースでは、船員が同作業を船上から行った理由は明らかではありません。

船舶の喫水線を読み取る際、何らかの理由で陸へのアクセスができない場合は、陸上から代理で同作業を実施できるスタッフを探す、陸上から写真を撮って送ってもらう、またボートを利用するなど、安全性を最優先にして代替案を検討する必要があります。はしごの利用が唯一の実行可能なオプションである場合、同作業を行う前に船舶の安全管理システム(SMS)を参照して十分なリスク評価を実施する必要があります。

喫水線を読み取るために携帯用はしごを使用する場合は、同活動の作業許可を取った上で適切に監督されること、船員が個人用浮揚装置(PFD)を着用するなど適切なライフラインを確保すること、また気象条件を十分に考慮するなど、作業を管理する会社の手順に従う必要があります。 気象状況によって作業が危険だと判断された場合は、貨物の荷役への影響を考慮した上で、天候の回復まで作業を遅らせる必要があります。

尚、これらの事件を報じた報道記事は、どちらの場合も船員がパイロットラダーを使用していたと記述していますが、 この用語がいわゆる船舶の指定されたパイロットラダーを指しているのかは明らかではありません。いずれにせよ、パイロットラダーはパイロットの乗降にのみ使用されるべきであり、他の目的には使用されるべきでない点はご留意いただきますようお願いいたします。

※本記事英語原文は以下リンクをご参照ください。

https://www.steamshipmutual.com/publications/Articles/reading-draught-marks-when-shore-access-is-not-possible-022022.htm

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