なぜ荷主が荷主にならない?

09 2020

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当クラブのロンドンオフィスにて、「船荷証券(Bill of lading)に記載されている荷主(Shipper)が、運送契約上において必ずしも荷主になるわけではない」という記事を今月発行しております。

 

※詳細は以下英語原文をご参照ください。

https://www.steamshipmutual.com/publications/Articles/why-the-shipper-was-not-the-shipper082020.htm

 

本記事では、イギリス高等法院の直近の裁判事例である「MVV Environment Devonport Ltd v. NTO Shipping GmbH & Co. KG MS Nortrader [2020] EWHC 1371 (Comm)」において、原告(MVV Environment Devonport Ltd)が仲裁の裁定に対して異議を申し立てたという事例を取り上げております。本事例にて原告は、船荷証券(Bill of Lading)に記載されている荷主(Shipper)が、別途結ばれている運送契約上(本事例では用船契約)に記載されている荷主ではないので、そもそも間違った記載であると主張しました。イギリス高等法院は最終的に原告の主張に同意し、上記仲裁の裁定を無効にしました。

 

本判決は、船荷証券が運送契約の唯一の証明書であるが運送契約書そのものではないこと、また船荷証券に記載された荷主名が必ずしも運送契約上の荷主ではないことを改めて示す形になりました。メンバーの皆様はクレームが発生した際に、誰が契約の対象者となるのか、また誰が告訴する対象となるのかを認識しておく必要があります。

 

また英国法において、代理店が関係各所に持つ権限に関していくつかのパターンがあることも本判例で改めて示されました。