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旋盤の操作中に発生した重傷事例

03 2021

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当クラブは、マルタ運輸局(Transport Malta)が発行した最近の safety investigation report issued by Transport Malta をメンバーの皆様にお知らせしたいと思います。この報告書では乗組員がエンジンルームの工作室で旋盤の操作中に重傷を負った事例を紹介しています。

 

この報告書は、工作機械の操作中には、潜在的に重傷事例が生じる危険性があること、そのような事故を防ぐために実施する必要のある安全対策を再認識させるものです。

 

紹介されている重傷事例は、旋盤に固定されていた工作物が壊れてしまい、固定が外れて乗組員に当たって発生したものです。旋盤の動作速度が速く、乗組員の怪我の深刻度が増大しました。

本船には包括的な安全管理システムが整備されており、旋盤の操作は特定危険リストにも指定されていました。また、本船のSMSで要求されている通り、リスクの評価作業が実施され、実際の作業が開始される前にはツールボックスミーティングも行われていました。しかし、調査報告書は、事件に至るまでに採用された手順と船上での実施されていたリスク軽減策にいくつかのギャップがあったことを指摘しています。

事故事例から得られた重要な教訓:

  • 記録されたハザードのリストは包括的ではありましたが、事故の原因となったハザード(工作物が壊れて固定から外れる)を特定していませんでした。
  • リスクの評価作業は、すべての関係者が関わったうえで行う必要がありました。
  • ツールボックストークでは、監督の必要性など、特定危険作業の特性について話し合う必要があります。
  • 安全性を高める可能性のある全ての器具の可用性と使用を検討する必要があります。
  • 訓練課程、習熟課程、技能評価は、検証と更新を絶え間なく行うプロセスである必要があります。

 

工作室で行われる作業、特に旋盤などの電動工具の使用は、多種多様です。そのような環境で実際のリスクに注意を払うことは容易なことではありませんが、事故を防ぐために最も重要な事柄でもあります。商船乗組員のための安全な作業慣行のコード(COSWP)の18.18項によると、旋盤などのベンチマシン(固定設備)の注意事項は以下の通りです。

  • 技能を持つ者のみが操作するべき。
  • すべての安全装置と器具が所定の位置にあり、機能していない限り、使用するべきではない。
  • 安全器具がない場合は操作するべきではない。
  • そして、工作物が正しく固定されていることを確認するべき。

 

当クラブは、事故事例と報告書を乗組員の利益のためにすべての船舶に公表し、事故の原因となった失敗を見直し、提案された是正措置とさらなる推奨事項の実施を検討することをメンバーの皆様に提案します。

旋盤機械を操作する際の危険の特定とリスク軽減のための有用な方法は、Worksafe Victoria Australiaから見つけることができます。このサイトは海上の現場に特化したものではありませんが、掲載されている危険の特定とリスクを軽減する方法は船上機械工具にも適用できます。

 

※本記事の原文は以下リンクをご参照ください。https://www.steamshipmutual.com/publications/Articles/serious-injury-from-lathe-operation022021.htm