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ナイロビ条約について

掲題につき、当クラブロンドンで発行している記事の一部を日本語にて紹介させていただきます。

詳細は以下英語原文をご参照ください。

https://www.steamshipmutual.com/wreck-removal-convention

 

条約について

2007年の難破物の除去に関するナイロビ国際条約(ナイロビ条約)は2015年4月14日に発効されました。直近では2021年7月28日にカザフスタンが56番目の国として条約を発効しました。また、カザフスタンは条約適用の範囲を領海まで拡大した21番目の国となります。尚、日本は昨年の2020年10月1に条約を発効しております。

ナイロビ条約は国際的にも注目を集めており、近い将来にはノルウェーが新たな批准国になると予想されています。 難破物の除去作業に関する合理的な対応についてのコンセプトを取り入れることで、難破物の定義、船主と締約国の責任、賠償責任保険、強制保険などの問題に対処しています。

まとめ

ナイロビ条約は、難破物に対処するための統一された規則を定めることを目的としており、クレームハンドリングのアプローチの一貫性と、確実性を目指す国際P&Iグループによっても歓迎されています。 しかしながら、締約国が条約の適用範囲を同国の領海まで拡大しない限り、対象は排他的経済水域 (EEZ) に限定されます。実際には海難事故による難破物が領海にあることも多数あり、締約国が領海まで適用範囲を拡大することが条約の効果をより高めることにつながるとも言えます。

対象の船舶はCLC/バンカー条約同様条約証書を本船に備え置く必要があり、損害の被害者は、船舶所有者が加入する保険者に対して直接損害賠償請求をすることができます。同時に賠償請求を受けた保険者は、適用される規則に従って責任制限を受ける権利を保有します。