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アジアにおける海賊対策

07 2020

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アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)

 

アジア海賊対策地域協力協定 (以下”ReCAAP”と称する) は、アジア地域を航行する船舶への海賊行為および武装強盗に対抗するための協力を促進および強化するための、世界初の地域政府間協定です。

“ReCAAP” は、北/東南/南アジアの国を含むアジアの14ヶ国により2006年11月に締結されました。 現在、ヨーロッパ(ノルウェー、オランダ、デンマーク、イギリス)、オーストラリア、米国を含む20の締約国が加盟しています。

 

2006年11月29日には、シンガポールにReCCAP情報共有センター (以下”ReCAAP ISC”と称する) が設立されました。2018年に行われた第12回運営評議会において、評議会は ”ReCAAP ISC” を、船舶への海賊行為および武装強盗に関する情報を集約する拠点とすることを発表しました。海賊行為に関する情報を、関係各所に共有することが同センターの中心的な役割となり、統計データ、状況分析、推奨事項などを提供するためのレポートを定期的に配信しています。 当データ分析は、海賊行為の長期的なトレンドを推測することにもつながります。

 

“ReCAAP ISC”は、上記共通の目標を達成するために、フォーカルポイント(各ReCAAP締約国の指定されたコンタクト先)、他の政府機関、海運業界、および国際海事機関(IMO)等国際的かつ地域のパートナーとなる組織と緊密に連携しています。

 

“ReCAAP ISC”は、各ReCAAP加盟国の代理人と協業しながら日々の実務対応を行う、専任の事務局があります。 主な活動は以下のとおりです。

  • 加盟国間のコミュニケーションおよび情報交換の調整を行う。
  • 事件が発生した際に、加盟国と協業した適切な対応を推進する。
  • 海賊行為および武装強盗発生の統計を記録して、分析する。
  • 加盟国の、海賊対策能力の向上を支援する。

 

“ReCAAP ISC”は、船上での通信機能に関する技術の進歩に合わせて、2014年にモバイルアプリをリリースしました。2018年に「ReCAAP」と改名された当アプリは、利用率促進のために ”ReCAAP ISC”の Webサイトのリンクから入手できるようになっています。 当アプリでは、ディレクトリ(ReCAAP締約国のコンタクト先)、刊行物、およびレポートの3つの主要なモジュールを閲覧することが可能です。

(モバイルアプリのリンクはこちら

 

2000年代初頭と比較して、アジアにおける船舶に対する海賊行為および武装強盗の状況は近年改善されてきていますが、船舶および船員に対する脅威は依然として存在しています。海上貿易においてアジア海域の航行は頻繁に行われており、マラッカ海峡およびシンガポール海峡の世界経済においての重要性は無視できません。したがって同海域に存在する脅威に対し、沿岸国および他の利害関係者の協力を得て積極的に対策を行うことは極めて重要です。同対策は全ての利害関係者の「共通の責任」として認識すべきで、各国あるいは各組織単独で対処することではありません。

 

ReCAAPの締約国

1.オーストラリア

2.ブルネイ・ダルサラーム国

3.スリランカ民主社会主義共和国

4.日本

5.カンボジア王国

6.デンマーク王国

7.ノルウェー王国

8.タイ王国

9.オランダ王国

10.ラオス人民民主共和国

11.バングラデシュ人民共和国

12.中華人民共和国

13.インド共和国

14.大韓民国

15.シンガポール共和国

16.フィリピン共和国

17.ミャンマー連邦共和国

18.ベトナム社会主義共和国

19.イギリス

20.アメリカ合衆国

 

参照:

ReCAAP

国際機関